美人なのになぜ?容姿コンプレックスで苦しむ人たちの地獄・醜形恐怖症

【心理】思考

醜形障害

芥川龍之介の「鼻」という短編小説をご存知でしょうか?

かいつまんであらすじをいうと、

昔でっかい鼻のお坊さんがおりました。

彼は実は自分の鼻がコンプレックスだったんだけど、

外見は「そんなこと気にしてないぜ」というポーズで生きております。

 

でもあるとき、弟子の一人が鼻を小さくする方法というのを聞きこんできます。

彼は、

「別に鼻おっきくてもいいんだけど、

せっかく調べてきてくれたんだから試してあげてもいいよ」的なことを言って、

その鼻縮小法を試すんです。

 

結果は予想外に良好。お坊さんの鼻は人並みの大きさになりました。

これでハッピーエンドかと思いきや…

気なる人は一度読んでみてください。

 

人間、自分の体について気に入らないところはひとつやふたつはあるもんです。

それはどんな美男美女でも変わりません。

そうでなければ、化粧品や育毛剤があんなにも売れませんよね。

 

しかし、その部分が気になって

人付き合いができなくなったり外出できなくなったり、

日常生活に支障が出てしまうと話は別。

こういう困った症状を、身体醜形障害(BDD)

一般的には醜形恐怖症などと言われております。

 

では、BDDとは具体的にどんな病気なのか。

原因や治療法は?

などなどを考えていきたいと思います。

 

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自分の容姿のせいで外出できない!?

上に書きました通り身体醜形障害(BDD)は、

自分の容姿について人目を気にしすぎて極度に落ち込んだり怖れたり、

また場合によっては外出できなくなったりして日常生活への支障をきたししまう精神疾患です。

もちろん自分の容姿にコンプレックスを抱いている方は多くいますが、

BDDはその心理が極端なんですね。

アメリカ精神医学会が作った精神疾患の診断基準、

DSM-5にも記載されている立派な病気です。

(余談ですが、DSM-5の日本語版はアマゾンでも買えます)

 

BDDは顔や体型など、

人目に付きやすい部分へのコンプレックスで起きることが多いですが、

中には性器や体毛など、あんまり人に見せない部分でも起きることがあります。

要するに、体のどこでも起きる可能性があるということです。

 

また、小さなニキビ跡とか、小さなホクロとか、

全然目立たない場所で起きることも珍しくありません。

美男美女と言われるような人たちだってかかることもあります。

つまり、BDDになるのと本当に醜いかどうかは関係がありません。

本人が「私のここは醜い」と思うかどうかがすべてです。

 

具体的な症状としては、

人と会うのが怖くなったり、

気になる部分を不必要に隠したり、

1日に何度も鏡を見たり、

過剰に化粧をしたり、

という強迫症めいた行為がみられることです。

人によっては整形手術を繰り返したり、

過度のダイエットに走ったり、ということもあります。

抑うつ状態から自殺ということもありえる病気です。

 

「整形が夢」という美人

実は私は、この病気に憑りつかれた人に会ったことがあります。

彼女は息をのむほどの美人でした。

もっとも私の主観だったかもしれませんが、

周りに人も美人だと言ってましたから、やっぱり相当な美人だったんだと思います。

 

そんな彼女の夢は

「整形して美人になること」

彼女は自分自身をかなりのブスだと思っていたようです。

特に目を気にしていました。

彼女がどれくらいのBDDだったかは分かりません。

しかし、セルフイメージが極端に低かったのだけは確かです。

 

彼女の過去は過酷でした。

幼いとき(思春期になってからも)、実の父と兄から性的ないたずらを受けてました。

そのせいかどうかは断言できませんが、彼女は2極性障害(いわゆる躁うつ病)で、

たびたび入院を強いられるほどでした。

彼女の生い立ち、躁うつ病とBDDの関連はわかりません。

が、影響があった可能性は十分にあったと思います。

 

BDDは思春期に始まることが多いです。

異性が気になり、同時に周りの目が気になるころですからね。

しかし、思春期を迎えた人が全員BDDになるわけではありません。

そうすると、精神病理的な背景が影響しているということも考えられますね。

 

一般的な治療は?

BDDの治療は心理療法が多いみたいですね。

少し調べると、認知行動療法というのがいいみたいです。

認知行動療法については、ちょっと何冊か本を読まないと理解できないので、割愛します。

気になる方は調べてみてください。

場合によっては抗うつ剤が処方されるときがあります。

 

BDDになると、周囲の人は

「あなたは十分キレイだよ」

とか

「深刻に考えすぎだよ」

とアドバイスしたくなると思います。

ついそう言いたくなる気持ちがわかりますが、

そのアドバイスで本人の気持ちが楽になることは少ないと思います。

 

BDDに限らず、心を病んでる人への対応はまず、

共感と理解。

これが基本ですね。

なので、自分の容姿が醜くて悩んでる人に対してはまず、

「そうか、そんなに苦しいんだね。辛いんだね」

と寄り添ってあげたほうがいいでしょう。

そのうえで

「でも私はあなたを十分キレイだと思うよ」

と付け加えてあげましょう。

 

これは人間関係においてなんでもそうだと思うんですけど、

どんなに完璧な正論でも、

「理解してもらえてない。共感してもらえてない」

と思う人の言葉って、心に響かないでしょ。

それと同じだと思います。

 

接し方に正しい答えというのはありません。

だけど、「もし自分が同じ境遇なら」と考えたら、自然と接し方がわかってくるもんです。

こういうのが本当の「思いやり」ではないでしょうか。

 

まとめ

・身体醜形障害(BDD)は多種多様。また、客観的な美醜とは別。

・根本的な原因・背景は生い立ちやセルフイメージの低さかも。

・一般的な治療は心理療法と投薬

・周囲の人は、頭ごなしの否定よりも、まず理解と共感。

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